旧石器人渡来図

新年だから少し大きなテーマがいいと思って国立科学博物館々長 篠田謙一「人類の起源」を手にした。
20万年前アフリカの地を出た新人は10万年前にアラビア半島の付け根で東西北の3方向に分かれた。西(欧州)方向へ向かったグループは旧人(ネアンデルタール)と共存して(新人が旧人を駆逐した学説は間違い)これを証明した研究が今度のノーベル賞を受賞した。
東に向かったグループはインドからミヤンマー⇒マレーシア⇒ベトナムと海岸伝いに移動。この時代、地球寒冷化で今より100メートル以上の海面降下していて島伝いの移動は割と楽だったようだ。このグループが台湾⇒沖縄⇒九州と島伝いか海岸伝いで日本に達し日本の旧石器人となった。しかし中国⇒朝鮮半島を経由してきた旧人が日本の旧石器人だとする学者も未だに多い。だから渡来地図には中国朝鮮半島からの矢印がどうしても入ってしまう。ところが篠田先生の資料はこの矢印がない。明快に「東南アジアから海岸か島伝いで渡来した」と断言される。(後になって半島からの渡来人が縄文と混血して弥生の一派を形成したことは仕方ないが)せめて大もとは中国朝鮮由来であって欲しくないから矢印の有無にこだわる。