習近平と距離を置く共産主義青年団派を率いてきた胡錦濤前総書記の〝退場〟顛末が次第に明らかになってきた。
8月北戴河会議では共青団派が習近平の続投を認める代わりに李克強、汪洋が政治局常務委員に留任することを受け入れる妥協が出来ていた。ところが大会の前日、習近平はこの2名を密かに名簿から削除、この新たなファイルを壇上に並ぶ中央委員に配ったが胡錦濤だけは李、汪両の名前がある古いファイルが置かれた。異変を感じた胡錦濤は隣席のファイルを見ようとしたが習近平に近い職員が近寄ってファイルを取り上げ退席を強制した。要するに習近平による政変、約束反故、インチキによって3期目続投が謀られ習近平の元で何十年も前から主従関係にあるイエスマン7人が就いたのだ。
この習近平の仁義なき戦いで見る通り、中国は日本とはまったく異なる価値観・行動原理を持っている国だとしっかり肝に銘じておくことだ。日本人のように「普遍的価値」を尊重するなどとは夢にも思ってはならない。ロシアのプーチンが西側諸国の予想を裏切ってウクライナに侵攻したように、中国も独自の論理で動くと云うことを決して忘れてはならない。