拉致問題や北方領土返還交渉の当事者、元竹内行夫氏が「外交証言録」を上梓した。が、7000円超もする高価本でとても手が出ない。中には安倍晋三が2島先行返還にかじを切ったことに「日本政府と国民に残された負の遺産で国家主権を自ら放棄した歴史上初めての宰相になる」と非難しているようだ。安倍の責任を誰が言い出すだろうと思ってきたが、ようやくにして足下から批判が出始めたことはよかった。一方で、安倍の寄稿文が世界30の有力紙に転載され今でもその言動が注目されている。曰く「ウクライナ侵攻を台湾に重ね、米国が長く取ってきた曖昧戦略を改め台湾防衛の意思を明確にすべきだ。中国による台湾への武力侵攻は必ず日本の国土に対する重大な危険を引き起こす。台湾有事は日本有事であり日米同盟の有事でもあると。こちらは至極もっともな意見だが、それだったら首相に座っていたときのあの ”中国おもねり” はいったい何だったのか。中国に間違ったシグナルを送り続けていたではないか。今になって中国攻撃を始めても不信が募るだけだ。安倍は自民保守本流を自認するが「言い放っし」では困ります。
4月 26
2022
2022