サハリンに食指を伸ばす中国

にわかに脚光を浴びた「サハリン石油ガス事業」脱ロシアを進める欧米政府に従って米国エクソンと英国シェルは事業撤退を決めた。日本は石油4%、LNGガス8%をこの地から輸入するエネルギーの重要拠点だが、当然、この日本の権益を喉から手が出るほど欲しい中国。三井物産や三菱商事が事業維持を決めた背景にはかっての苦い経験があると云う。
2010年(旧)国際石油開発帝石は中東で有数の石油埋蔵量を誇るイラン南西部「アザデガン油田」の開発から撤退した。米国の対イラン制裁法に基づく制裁対象になると米金融機関の融資を受けられなくなる恐れがあったからだ。投資した125億円で保有する権益をイラン国営石油会社に無償で返還した。この権益をそのまま譲り受けたのが中国国有の中国石油天然ガス集団だった。中国は難なく石油採掘の権利を手に入れてしまった。だからこの二の舞は何としても避けたい三井物産や三菱商事は事業維持を決めたのだ。あぁもっと北方領土問題をよく勉強しなくては・・・