「ドイツリスク」読後感

元読売の記者でドイツ特派員を経験された三好範英氏著「ドイツリスク」を読んで目からウロコ。特に終章の「中国に共鳴するドイツの歴史観」は衝撃的だった。
「歴史認識を巡る日本と中国の対立を見て、ドイツの政府とメディアは中国に傾斜して日本批判を強める。例えばドイツのある歴史学者は日本の軍国主義者による侵略戦争だけで3500万人の中国人犠牲者が出た。南京事件は目覆う大殺戮で30万人の犠牲者などと中国の主張をそのままの翻訳本を出し多くのドイツ人を納得させた。尖閣諸島の領有問題も然り、日本政府は日本の歴史的罪を認めず、歴史を清算しない姿勢から問題を拗らせている。悪は日本にあるとまるで中国本のような偏見に満ちた内容が続く。ドイツと中国には大陸国家同士の相性の良さがある。さらにナチズムとホロコーストの反省から歴史教育が極端に歪んでこれは共産党中国の教育方針と同じだ。ドイツ人の歴史認識は正統な歴史解釈というより “閉鎖性” “断絶性” ”異質な歴史への糾弾性”が強く、海洋国家的と云うより大陸的国家の色彩が色濃い。まさしく中国的思考に近い」と記した。
日本の中にある「ドイツ見習え論」は決して日本のためにはならないことを心底納得した次第。そしてフランスの日本観もぜひ知りたいと思った。

そして英雄になった トランプ

シカゴ大学は2021年1月にトランプの支持者が米連邦議会議事堂を襲撃した事件後から継続した世論調査を行ってきた。ことし直近の調査ではトランプの再選を阻止するためなら暴力が正当化されると答えた人は10%に及んでいた。このうち銃を保有している人は3割超。一方、トランプを再選させるためなら暴力の行使を認めると答えた人は7%でこのうち約4割が連邦議会襲撃事件に関わった人を “愛国者” だと考えていた。これでは百数十年前の西部劇時代さながらの様相ではないか。そしてトランプは拳を上げて英雄気取り、第47代大統領となる。誠に由々しきことでとても世界の範たるアメリカではない。

支那と言って何が悪い?

「日本に向けた “中国” からの圧力は飛鳥時代に始まる」と書いた古代史研究者がいたが、こういう安易な “中国” の使い方はよくない。1949年10月1日毛沢東が中華人民共和国を建国したその略称が中国だからで、飛鳥時代には ”中” のチュの字もない。習近平が声高に胸を張る漢族の王朝は秦、漢、晋、明の4つしかなくしかも版図は限られる。だから「中国四千年の歴史」とか「中華民族の中国」とかは在りゃしない。習近平が南シナ海、東シナ海の支配を目論むその海域は「シナ海」ではないか。方やその「支那」は差別語だとして禁止する支離滅裂。何から何まで歪んでいる支那だこと !!

2番ではダメなんです !!

都知事選の完敗を「蓋が開くまで大敗を予想出来なかった蓮舫と周辺の狂った認識こそが大惨敗の原因だ。そもそもなぜ自分に勝機があると思ったのか、この読み違いにすべてが帰結する」と産経は書いたが「共産党と組んだ戦略の致命的な誤り」「自民裏金問題に固執し国政を都政に持ち込んだ誤り」の二点は私でさえ分かる。もう一つは蓮舫のつくり笑いの裏にヒステリックで青筋を立てて持論を展開するコワイ姿があることを皆が承知しているからだと思う。
「2番では駄目なんですか?」そうです2番ではダメなんですが、2番にもなれなかった。
産経の地域別得票率分布図にある通り、蓮舫が強いはずの人口集中地域(無党派層の多い地域)で見事に完敗している。これでは立民議員が大慌てするはずだ !!

お粥椀

胃腸が弱ったせいか「お粥」のパックを常備している。保存も効くし低カロリーもいい。朝のお粥は寝ているときに失われた水分を補う意味でも理にかなっていると、永平寺の修行僧は365日心と体を整えていると云う。そんな話しを叔父宅でしていたら従妹が「天然木さくらの削り出しお椀」を取り寄せてくれた。桜材は重みや硬さがあって、しかし見た目は優しくお粥椀にはピッタリだ。たったこれだけでちょっと贅沢に感じられるとは、お安いもんだ !!

「おやき」

地元の人に美味しいお店を聞き込み、アポなしで突撃する「バナナマンのせっかくグルメ」6月末は長野市の定番「老舗蕎麦店」と昨年完成した「おやきファーム」が紹介されていた。
「おやき」の原形は縄文遺跡からも発見されているから長野県民には歴史と文化の詰まったソウルフードなんだろうな。試しにネット注文をしたら1ヶ月待ちとのこと・・・
おやきで思い出すのは、30年近く前、発電所広報に着任された平林某氏の実家が安曇野で、会うたびに「帰りたい」が口癖だった。某氏は50歳を前にしてすい臓ガンで亡くなられた。後日、ご自宅にお参りに伺い、帰り際に自家製の「おやき」を頂いた。おやきを見るたびに柔和な某氏の面影と中に詰まった野沢菜の味を思い出す。

安倍元総理の志を継承する集いで・・・

河野元統合幕僚長は2017年北朝鮮有事の可能性を披露した。当時、金正恩は米国まで届くミサイル試験を繰り返し「我々はいつでもアメリカと日本を攻撃する体制にある」と威嚇行動をしていた。
河野氏によると米国は金氏個人を狙った斬首作戦や北朝鮮を消す核兵器使用まであらゆる攻撃を検討していて、米高官の態度からその可能性は70%はあると直感し、40年の自衛隊生活で一番緊張したと云う。
当時、第4次安倍内閣はモリカケ問題で野党やマスコミの激しい非難に晒されていたが、秋に衆院解散総選挙に打って出た。新聞はモリカケ隠しと報じたが、実は衆院議員の任期は同年12月、このタイミングを逃すと北朝鮮有事の最中に衆院選を強行しなければならなくなるからだった。また安倍首相は「金正恩はすごく臆病だから自分からは絶対に先制攻撃はしない」とトランプにも説明していたと云う。最後に河野氏は「ことほど左様に安倍首相は大事を決断出来る稀有なリーダーだった」と締め括った。さて岸田さん、このエピソードを何と聞く?

勝田Pがご存命で社長なら日テレはここまで堕ちない

大谷翔平さんの個人情報に触れる逸脱取材で「出禁」となった日本テレビ。なのに「24時間テレビ」では心臓移植しかないと宣告された川崎翔平ちゃんに “翔平” 繋がりで大谷翔平さんと対面するドキュメントを企画。しかし翔平さんの怒りは収まらず中止に。そもそもが名前の繋がりだけで日本の宝者を引っ張り出すなど余りに安易が過ぎる。
「24時間テレビ」や「11PM」を立ち上げたのは勝田建プロデューサーだ。十日町雪まつりで人気の「11PM」に来て貰ったとき一度お会いした。新潟招致で某かの制作費を捻出しなければならず番組内で紹介することを条件に地元の物産会社から協賛金を仰いだ。スタッフ合同会議の席上、地元の是非ネタを発表するに及んで生意気盛りの担当Dから「11PMはそんな番組じゃない」と罵声が飛んだ。しかしこのやり取りを聴いていた勝田Pは「そういう話しを面白く演出するのがディレクターの仕事だろう」と一喝。この1年後、勝田さんは肝臓ガンで亡くなられた。ゆったりと静かに全体を見渡していた姿が忘れられない。小生の肝硬変、私が勝手に尊敬する大先輩に少しでも近づけるならそれもいい。

川崎重工 企業風土は直らない

かって日本の新幹線技術を中国に垂れ流した三悪人は旧運用大臣二階俊博、川崎重工大場浩、IR東松田昌士であったことは周知のことだ。その川崎重工、一般人にはオートバイの「カワサキ」で知られるが、船舶、航空機、鉄道車両など三菱重工やIHI(旧 石川島播磨重工)と並んで日本三大重工に並んで称される。その売国?大企業に今度は海上自衛隊の潜水艦建造で裏金提供や接待供与の受注疑惑が浮上した。下請け会社を使って架空取引をつくり20年間に渡って10億円ほどの裏金を捻出。海自幹部や現場隊員に裏金で接待攻勢や商品券、生活用品などを供与していたと云う。悪徳の習慣が染みついた風土ならもはや変わり様はない。

ドイツリスク

カメラ市場をけん引してきた日本のデジタルコンパクトカメラ。しかしスマホに高画質カメラが載って世界は一変。デジカメの出荷台数はピーク時の約7%、出荷金額も22.5%ほどに落ち込んだ。但し高級一眼レフカメラは一定の需要を保っている。最新鋭機ライカSL3は120万円ながらその場の空気まで写すと云われてプロ・セミプロの垂涎機だ。このライカの戦略は如何にもドイツ的だ。日本の各メーカーは簡単に中国など海外生産に切り替えたが、ライカはあくまで自社生産に拘り、人件費高騰は価格転嫁でカバーするなど価格より性能重視、販売数より確実に安定維持を狙う。
而してドイツに見習うべきことは多いが、何故かドイツ人は嫌われる。EU圏一人勝ちへの嫉妬と共に、自国の利だけを狙って、特にライバル国日本の失敗を喜ぶ風潮は韓国と同じだ。且つロシアや中国に接近する政治姿勢が日米英などから信用を得られない要因の一つだ。間もなく三好範英著「ドイツリスク」中古本が届く。果たして溜飲を下げられるか・・・