久しく止めたるためしなし

「1185年、元歴(げんりゃく)大地震」の土砂崩れ跡が琵琶湖西岸で見つかった。壇ノ浦で平家が滅んで間もない頃で、推定マグニチュード7.4の活断層地震のようだ。「 山は崩れて川を埋め、海は傾いて陸を浸した。大地は裂けて水が湧き上がり大岩は割れて谷に転がり落ち、漕ぐ船は波に漂い、道行く馬は足の踏み場に惑った。まして都の辺りでは至る所、堂舎塔廟一つとして無事なものはなかった」と方丈記は記した。

ゆく川の流れは絶えずして しかも もとの水にあらず
淀みに浮かぶうたかたは
かつ消え かつ結びて 久しくとどまりたるためしなし
世の中にある人とすみかと又かくの如し