「アメリカン・スナイパー」を観てきた。84歳イーストウッド監督は自分の映画は反戦だと主張しているが果たしてそうだろうか。もしそうだとしても本人の意思とは別に米国特有の外国人への嫌悪が感じられてならなかった。イスラム国の極悪非道は云うに及ばないが、イラク人が犬並に扱われる悲惨な映像が延々と続く。狙撃手がどんなに愛国だ正義だと云ったところで、4つの嘘をついて戦争を仕掛けたブッシュ・アメリカに共感は感じない。この映画を批判した少数の米国人は「売国奴」と脅迫を受け、逆に「イラク人をせん滅したい」「射撃の腕を上げたい」などの過激反応が多いと聞く。子どもに銃の扱いを教える場面は米国の病巣を見たような気がした。さすがにアカデミー賞は録音編集賞だけだったようで、もし作品賞や監督賞まで獲っていたら米国は一巻の終わりだった。
帰路、急激に気温が下がったのか田んぼから霧が上がっていた。普段なら「幻想的」などとちょっと想いに浸るところだが、後味悪くモヤモヤと憂鬱な気持ちで帰宅した。
2月 24
2015
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