説明会を前に

柏崎原発の全号機停止からまもなく3年になるが、その間の市の総生産額が1900億円ほど目減りしたとの試算を地元大学の先生が試算した。この総生産とは東電原発による直接的な経済効果であり、停止による人員減などで飲食や交通宿泊、日用品購入などの間接費のマイナス分を含めると3400億円に上るという。大ざっぱにいえば市が6割ほどに大きさに縮まったということだ。
再稼働に慎重もしくは反対を唱える人たちは「原発依存から脱却を」「原発に頼らない地域再生を」などと声高に叫ぶが、これまで具体策の一つも提案されていない。100年の大計と目先10年の計画を冷静に合理的に分別して、大人の態度で対話の席に着くことを切に望む。
東電にも一言、反対派に煽られて余りに細かい資料や専門用語で説明されても共感は得られない。参加者は確信に満ちた東電の自信ある姿勢を見たり聞くために参会しているのだ。ポイントを絞って簡潔に、そして言い切るところは明快に。と思うのだが、ゆゆしき事態が発生した。東電水力発電所で大雨による土砂崩れ、大雪による屋根の崩落が続いた。自然災害とはいえ施設の管理体勢が問われ原発にもマイナス影響が及ぶことは必至だ。数土体勢による極端なコスト削減策に社内が萎縮する余り思考と行動までもが減退したのなら、東電が自信ある態度や姿勢など示せるはずがない。