元読売の記者でドイツ特派員を経験された三好範英氏著「ドイツリスク」を読んで目からウロコ。特に終章の「中国に共鳴するドイツの歴史観」は衝撃的だった。
「歴史認識を巡る日本と中国の対立を見て、ドイツの政府とメディアは中国に傾斜して日本批判を強める。例えばドイツのある歴史学者は日本の軍国主義者による侵略戦争だけで3500万人の中国人犠牲者が出た。南京事件は目覆う大殺戮で30万人の犠牲者などと中国の主張をそのままの翻訳本を出し多くのドイツ人を納得させた。尖閣諸島の領有問題も然り、日本政府は日本の歴史的罪を認めず、歴史を清算しない姿勢から問題を拗らせている。悪は日本にあるとまるで中国本のような偏見に満ちた内容が続く。ドイツと中国には大陸国家同士の相性の良さがある。さらにナチズムとホロコーストの反省から歴史教育が極端に歪んでこれは共産党中国の教育方針と同じだ。ドイツ人の歴史認識は正統な歴史解釈というより “閉鎖性” “断絶性” ”異質な歴史への糾弾性”が強く、海洋国家的と云うより大陸的国家の色彩が色濃い。まさしく中国的思考に近い」と記した。
日本の中にある「ドイツ見習え論」は決して日本のためにはならないことを心底納得した次第。そしてフランスの日本観もぜひ知りたいと思った。
7月 16
2024
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