日本の実力

日米の金利差や日本の経済指標から「円の実力」は137円あたりだと云うが、今日、34年振りの153円台に落ち込んだ。かつては家電製品やコンピュータ・半導体などが日本を代表する輸出品だったが、今ではこれらは輸入超過に転じ、自動車と資本財が日本の輸出の2本柱となった。ところが最近、資本財に関しても輸入の増加が目立ち2本柱が崩れ始めた。だから自動車頼みの日本の輸出構造に不安を感じて海外からの投資が進まない。また経済収支指数の一つ「その他サービス収支」の中の「経営コンサルティングサービス」「通信・コンピュータ・情報サービス」「研究開発サービス」といった高付加価値サービスの赤字が急拡大していることも円安の要因になっている。日本企業のデジタル技術が大きな後れを取っているからだ。さらに所得資産の対外純資産は黒字ではあるが決して国内に還流しない「張り子の虎」だと理解され、これまた大幅な円安の要因になっている。日本が海外進出企業でどんなに稼いでも、日本には持ち込めない持ち込まない、日本国と日本人には何の恩恵ももたらさない「張り子の虎」が蠢いているのだ。17年間も続けた「マイナス金利政策」でズタズタにされた我が日本はこうして世界の中に埋没する。