トランプ人気の不思議

米国人の58%は「トランプは虚言や品位欠く暴言連発で公職に就くには不適格」と答える。ところが共和党代表候補選で2戦2勝、早くも大統領選で返り咲きを果たす可能性が高いと大方は予想する。こんな人格欠落者がなぜ歴史ある共和党を乗っ取れたのか・・
トランプに熱狂する支持者は都市部より田舎町、農村部、低学歴で低所得者層、社会の潮流から取り残されたと感じている不満層が多い。米国の各種選挙戦で共通するのはスピーチが最も大事でありいかにして聴衆にアピールする話し方ができるかで勝敗が決まることだ。この点でトランプは社会の不満層が感じている不安や怒りをうまくすくい上げ、その不満に油を注ぐようなしゃべり方をするので聴衆に受ける。その内容は極端に誇張されたものであったり、全くの虚言であったり、単なる偏見であったりするが、それが事実かどうかは全く問題ではなく聴衆を燃え上がらせることができさえすればそれで十分なのだ。しかも州ごとの選挙で、1票でも多く獲得した方に全ての選挙人が投票する「勝者総取り」方式を使いこなす。時代錯誤の選挙システムの弊害,現代民主主義とはかけ離れたシステムのお陰でもあるのだ。