三大中国病

石平さん、専門が哲学だから日本思想史を研究しているようだが、出たばかり(新書)の「三大中国病」を読み始めてこれが久々にいい。著者曰く「中国と日本は隣国でありながらその歴史は真逆といっていいほど違う。その根本的な理由は何なのか?その背景に中国の三大病 ”天命思想” ”科挙” “礼教”があるのだ。政治の安定を狙って導入したこれらが易姓革命を繰り返させ、学問の幅を狭め、中国女性に地獄の苦しみを与えた。日本は漢字、仏教、律令など大陸から多くを導入したが、この3つだけは受け入れなかった。この判断がアジアで最も早く日本を近代化に導き、反対に中国の近代化の足かせになった」と。終章では今や皇帝となった習近平は歴史に照らしていずれ失脚するだろうと断定する。誠に明快にして説得力ある近著だった。