米大統領より重い発言

デンマーク元首相でNATOの前事務総長ラスムセン氏が新年早々に台湾を訪れて「中国が台湾に武力行使をした場合NATOは台湾が必要とする軍事援助を行い台湾が自衛できる能力を得られるよう対応する」と述べた。氏はデンマークや欧州では「最も信頼出来る政治家」として実力も人気もある人物だから、バイデンの「台湾は必ず守る」などと “観測気球” を揚げるような軽い発言ではない、北大西洋条約機構の公式見解とみていいだろう。
ところで田中角栄の最大のミスは台湾を切り捨てた「日中国交正常化」だと思うが、このあたりの “くだり” は「自民党戦国史」が面白い。
1970年前後、佐藤栄作政権時「北京政府を中国を代表する正統政府として認めて正常化交渉をすべし」との親中派の急先鋒は三木武夫と大平正芳だった。そんな中で佐藤栄作の後継争いで福田赳夫と田中が激しく対立。田中は各派閥には「裏金」をばらまき、三木武夫には日中国交交渉を約したと言われている。つまり「日中国交正常化」は角栄のオリジナルではなく、三木武夫、大平正芳らのコテコテ親中派を取り込んで総裁になった妥協の産物だった。
いま首相岸田と外相林にはこの「親中派」の源流が脈々と流れている。だから岸田の「習主席とは対面で会談をさせて頂きました」との情けない発言につながるのだ。軽すぎる !!