終戦77年に

終戦から77年、15日の新聞やテレビは相変わらず戦争の悲惨さを物語る特集が多かった。(それはそれでいいのだが)もう少し現実的な未来志向の特集があってもいい。讀売新聞は「東アジアに続く緊張」の中で国際政治学者村井友秀氏が「東アジアは今や、世界で最も軍事力が密集した地域になった。しかも中国や北朝鮮、ロシアでは政府が好戦的な民族教育を強い、国民の情報も統制している。かっての軍国主義の姿が77年の時を経て投影されているようだ」との一文と共に日本に向かう軍事力の一端を図式化した。讀売のいいところは保存しようと思うほどの特集が時々組まれることだ。ともあれ中国の陸上兵力だけでも日本の7倍、戦闘機に至っては9倍ちかく圧倒し、尖閣諸島の領海侵犯は日常茶飯だ。ロシアも対NATOの失敗を北方領土周辺で取り戻そうと必死だ。日本の敗戦を機に当時のソ連軍は北海道全島をはじめ対馬の港など広範囲の占領を検討していたことがロシア公文書に記録されている。それでも平和ボケ日本は岸田も含めて自衛隊強化には熱意はない。終戦77年、ひたすら「反省」を繰り返す日本の姿に危うさを感じてならない。