安倍応援団長の櫻井よしこ氏が産経に追悼の一文を寄せた。その抜粋・・・
世界情勢激変の中で国家の命運を懸けた大決断が必要な今、その任に最もふさわしいと期待されながらの悲劇である。
安倍氏は世界の手ごわい指導者をも魅了する素晴らしい日本人だった。首相になるとき「日本を取り戻す」と叫んだ。戦後の占領下で日本の価値観や法制度がどのように否定され置き換えられたかを成長過程で見聞したからだ。だからこそ第1次安倍政権では教育基本法の改正、国民投票法の制定、防衛庁の「省」昇格などを急いだ。そして現行憲法の改正を自らの政治使命だと誓った。第2次安倍政権では国の守りを強化する特定秘密保護法や安全保障関連法を10ポイントも支持率を落としながら成立させた。
身を削って戦う姿勢は外交でも同様、尖閣諸島周辺に公船を送り込む中国に対して「日本の覚悟を見誤るべきではない」「日本は戦う用意がある」と伝え続けた。北朝鮮による拉致問題は国家としても人間としても最重要課題だととらえすべての首脳会談で拉致問題を取り上げた。「対話と圧力」から圧力に軸足を移し北朝鮮を追い込んだ。受け身で道は開けない、天は自ら助くる者を助けると信じ日本国の志を掲げ続けた。
日本国の歴史的事実を誇りとし穏やかながら雄々しい文化を身につけた安倍氏だったからこそ、国際社会ではどの国の指導者にも位負けしなかった。「自由で開かれたインド太平洋」構想、日米豪印の枠組み「クアッド」、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などの戦略も生み出し国際社会で日本の地位をかつてなく高めてくれた。
私たちは今こそ安倍氏の志と戦略を力強く受け継ごう。憲法改正で前進するのだ。素晴らしい指導者だった安倍氏の死を海よりも深く悼み、心からの敬意を表したい。
7月 11
2022
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