インドネシアの首都ジャカルタは人口集中により世界一の交通渋滞で知られる。そこで政府は新首都を密林の中にほぼゼロの状態から建設する大プロジェクトを計画した。膨大な資金は中国の支援を充てにしての事業だが、早くも新都市は「新北京」になるとの警戒が広がっている。
インドネシアは1万7000以上の島からなる群島国家。人口も富も首都ジャカルタのあるジャワ島に集中している。このジャワ中心主義を脱却することは長年の悲願だった。政府の計画は国費で19%を賄い、残りは国内外の投資、特に中国資金に大きな期待を寄せる、とても乱暴な計画だ。しかも既に中国資金によりジャカルタ高速鉄道が建設中で、当初、インドネシア側の負担はゼロでスタートしたが工事遅延などで政府負担が1兆円に膨らんだ。インドネシア政府の見通しの甘い「首都移転」と「高速鉄道」の二重負担により「南シナ海」は完全に中国が支配することになる。この首都移転が世界の安全保障に与える影響は計り知れない。
2月 28
2022
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