読売と産経に割と大きく載った中国情勢の記事が面白い。
中国の言論界を中心に改革開放政策を進めた鄧小平を改めて評価する文章が出回っている。 習近平への権力集中が進む中、個人崇拝からの脱却や思想の解放を目指した3代前の最高指導者に光を当てることで現体制を逆説的に批判するという「静かな抵抗」が広がっていると云うのだ。特に注目を集めたのは9日付の党機関紙人民日報に掲載された論文で、鄧小平の名前が9回も登場した一方、習近平の名は一度も出てこない。この習近平批判について日本の文壇で活躍する石平さんは次のように解説した。
・・・中央共産党の改革開放は高く評価しながら現政権には関係ないと断じ暗に習近平を貶める文章になったいる。さらに言えばこの文章からは「習主席の政治は改革開放の正しい路線から外れた」とも取れるから、習主席批判が中国共産党機関紙の人民日報で堂々と掲載される重大なる政治事件が発生したと云うことだ。ただ一方で改めて習近平の功績を称える記事もあって、人民日報を舞台に党指導部内に相反する2つの勢力が対峙している様子が見て取れる。
皇帝になりたい習近平が盤石でないことを裏付ける記事からも、なるほど、習近平が何が何でも北京五輪を成功させたい思惑が透けて見える。
12月 25
2021
2021