中国融和路線のなれの果て

かっては「世界をデザインしたキッシンジャー」と持ち上げていたが完全にミスリードだった。しかし12月5日付け読売は今なぜか「キッシンジャー回顧録〜中国」の解説を載せた。
そこにキッシンジャーは「中国政治はイデオロギーに則ったものでなく”皇帝政治”に本質があり中華と屈辱感が交錯する中で闘わずして勝つ孫子の兵法が息づく。闘いに入れば一撃で機先を制しすぐに終戦交渉に入る」と理解していたと云うのだが、そこまで分かっていたのならなぜニクソンからクリントン、オバマが融和政策を続けて中国をモンスターに育ててしまったのか。米国為政者の読み違いとはいえ、あまりに無責任過ぎる。もっとも日本とて海部内閣は「天安門事件」が起きた当日に中国融和を閣議決定していた。その後、宮澤内閣、細川、羽田、村山と世界トップの円借款やODAを続けたのだから”米国と同罪”なのだがそれを諫める記事はない。