辛亥革命110年

人民大会堂で開いた辛亥革命110年記念大会で習近平が演説「台湾問題は完全に中国の内政で外部のいかなる干渉も許さない。”祖国” の完全統一は必ず実現する」と。しかし台湾のどこが祖国なのか。歴史のねつ造は明々白々だ。
辛亥革命とは1912年南京に孫文を大総統とする臨時政府を樹立。清帝退位によって中国史上初の共和国「中華民国」が成立したことを云う。しかしその革命後も内紛が続いて孫文は清朝軍閥の袁世凱に大総統を明け渡した。ところが袁世凱も専制政治を施き、再び孫文は中国国民党をつくり8年後の1921年に出来た中国共産党と協力or対立を繰り返した。孫文亡きあと蒋介石が継ぎ、北京にいた軍閥を追い出し全国統一。1928年南京に国民政府ができた。1949年第二次大戦のあと国民党は共産党との内戦に敗れて台湾に逃れる。この時、毛沢東が北京で中華人民共和国を成立させ国家主席となった。つまり習近平の云う”祖国”とはこの中華人民共和国の筈で、台湾に逃れた国民政府(中華民国)は全く別もの。
ついでに付記すると蒋介石の中華民国は「正統な中国」という立場に立ち、台湾住民はすべて「中国人である」との前提で統治した。このことがかえって習近平が云う「台湾は同じ中国」の論拠になっている。同じ中国という共通の土俵に立てば13億人の中華人民共和国は2300万人の中華民国をチカラで簡単に圧倒出来るからだ。