猫の治療薬開発に寄付殺到

飼い猫がかかることが多い腎臓病の治療薬を開発している東京大の研究に対し、一般の人からの寄付が殺到、今月半ばまでに約9900件、1億2370万円に達したと云う。猫は5歳頃から腎臓に異常が出始めることが多く有効な治療法はない。12歳以上の猫の死因トップは腎臓病を含む泌尿器疾患で約3割を占める。東大の宮崎徹教授らは2016年、腎臓にたまった老廃物の除去に必要なたんぱく質「AIM」が先天的に機能しないことが猫の腎臓病の原因となっていることを突き止めた。企業と協力して治療薬の開発を始め、昨春には実際に猫で効果を確かめる試験の一歩手前までこぎ着けた。が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で研究費不足に陥り開発は中断してしていた。この経緯を伝える記事がネットで配信されると東大への寄付が急増。東大基金には、寄付とともに「早く研究が再開できるよう祈っています」「猫の幸せの時が長く続きますように」といったメッセージが寄せられているのだ。宮崎教授は「一般の人から研究に対してこれだけ反響が集まった。治療薬を早く届けられるよう全力を尽くしたい」と話している由。