嫌な蚊の季節が

刺された時、かゆくなってから気づくのが普通で刺された瞬間の痛みは感じない。これまで突き刺す針があまりに細いからだと考えられていた。生理学研究所の研究で、刺した際に人や動物の体内に入る唾液に痛みを感じさせない成分が含まれ、相手に気づかせず忍者のように血を吸って逃げていたことが分かってきた。研究チームは高性能な光学顕微鏡を使い蚊が人工皮膚に針を刺し吸血する様子を観察した。結果は蚊が血を吸いながら同時にずっと大量の唾液を送り込み続けていることが分かりこの唾液に何か秘密が隠されているのではないかと見立てた。
人間や動物がけがをした際に傷口をなめるのも、殺菌効果だけでなく本能的に鎮痛の効果を知っているからではないか。唾液の研究から効果があって安全な鎮痛剤を新たに開発できるかもしれない、と。