アルツハイマー新薬が承認されたが・・・

認知症の6~7割を占めるアルツハイマー病は脳内に「アミロイドベータ」と呼ばれるたんぱく質が発症の10~20年前から蓄積。徐々に脳の神経細胞が破壊され記憶力や判断力などの認知機能が低下すると考えられている。これまでは症状を一時的に改善する薬しかなく効果も1年程度しか続かなかった。これに対し米製薬企業バイオジェンとエーザイが共同開発した新薬「アデュカヌマブ」は原因とされるAβに直接働きかけ、月1回の点滴で脳内からAβを除去して神経細胞の損傷を根本から防ぎ病気の進行を長期間抑える効果が期待されている。ただ実用化には課題も多いと云う。まず新薬を使う前に脳内にアミロイドβが蓄積しているか特殊な画像検査などで調べなくてはならない。この検査を行う施設は全国に30~40施設と限られる。またこの薬は遺伝子組み換え技術などを使う「バイオ医薬品」で製造コストも高額になる。米国での薬剤費は患者1人あたり年約610万円になるらしい。こんな高額薬では市民はなかなか使えない。