二つの議員連盟

「議員連盟」とは政党・派閥・参院・衆院の枠にとらわれず活動する議員集団のことだが、個々の政策の実現を目ざすものから、外国との交流促進、特定業界とのパイプ役、趣味や愛好家の集まりまで多様であり、国会だけでなく全国の地方議会にもある。しかし最新の二つの議連は表向きの看板とは大違いの対抗集団のようだ。
自民党二階俊博は幹事長になって5年、党運営を意のままにする豪腕に不満は強い。「日豪友好議員連盟」(逢沢一郎会長)は安倍晋三と麻生太郎を最高顧問、甘利明を顧問とすることを決めた。二階の包囲網の意味合いが大きい。一方で同じ日にその二階俊博は日中友好議連や日韓議連をベースにした「自由で開かれたインド太平洋構想推進議連」を立ち上げたが二階は云わずと知れた親中派の大ボス。いよいよインド太平洋構想に首を突っ込んだが、反二階議連への対抗といずれはインド太平洋構想を骨抜きにして親中構想にすり替える積もりだろう。この動きに党内からも大きな疑問や批判が上がった。「石が流れて木の葉が沈む」何とも不条理な世界だコト。