日本を代表する名門「東芝」は不正会計が2015年に発覚。翌16年には米国での原子力発電事業の失敗による巨額損失を出したが上場廃止の危機を約6千億円の増資で乗り切った。しかしこの増資を引き受けた約60の海外ファンドを株主として抱え込んだ結果「物言う株主」となって経営再建の足を引っ張ってきた。この問題解決のために呼ばれた車谷暢昭社長だったが、再建のための厳しい目的達成を役員や幹部社員に求め求心力を失った。さらに車谷氏の古巣、英国投資ファンドからの買収提案があったことがかえって社内から「何か黒いモノを感じて将来が不安になった」との不信感を募らせた。この間に前社長綱川智と周辺が密かに車谷氏の追い出しを画策、臨時取締役会で辞任に追い込んだというのが社長交替の顛末だ。
衰退の途を辿る「東芝」であっても原発や防衛部品、半導体など依然として国益に関わる重要事業を抱え、ゆえに中国・韓国企業からの産業スパイや引き抜きが後を絶たない。ここは日本政府が支援に乗り出してでも技術者と技術力を留めないと日本国が脅かされる事態も起こり得るのだが・・・
4月 19
2021
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