花角知事は「緩やかな脱原発」を主張する一人だが、このたびの東電の一連の不祥事には激しい怒りをぶつけていた。そして原子力規制委員会の荻野長官と面会し、東電が原発運転の能力があるのかを再評価して欲しいとの要望を伝えた。
この件で2点の意見…まず一連の不始末は云うまでもなく東電の怠慢と緊張感欠落によるもので弁明の余地はない。問題は再稼働反対派が気勢を上げるのは仕方ないとして、賛成派容認派から反対に鞍替えする市民や議員が増えていること。仮に追加検査のあと合格点が取れたとしても、一度失った応援団の賛意を取り付けるのは極めて難しいだろう。このまま廃炉になる可能性がとみに増したと思う。
もう一つ、花角さんは前々者の悪代官泉田に比べれば遙かに好人物、真面目であることは周知のことだが、これまでのところさしたる実績がなくどんな県にしたいのかビジョンが全く伝わってこない。コロナ対応でも目立った対策がない。そして今度の原子力規制委員会長官との面談の善し悪しはともかく、記者やTVカメラを同行して東電には厳しく対処しているとのパフォーマンスを喧伝した。穿った見方をすれば、来年は県知事選挙がある。その運動の手始めだとしたら結局は泉田と大差がない。賢明な知事ながら些か失望を感じた次第だ。
4月 08
2021
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