知性と反知性

ドイツのメルケル首相の演説が世界的に話題を呼んでいる。12月9日連邦議会での演説で首相はいつになく感情を剥き出しにして「1日590人の死は受け入れることができない」と身振り手振りと激しい口調でコロナウイルスの拡散防止を訴えた。ドイツ議会でもポピュリズム政党の反知性主義的なヤジは多いらしいが、この日のメルケル首相の毅然としかも知性に溢れた態度は国家の首班としてふさわしい振舞いだったと世界は賞賛した。一方で「こんにちはガースーです」とニタついた笑えない冗談で切り出す菅首相、日本が記録的な感染者増加に対応している最中、パーティーを開かないよう国民に呼びかけながら自らはステーキ会食に参加した反知性のバカ殿と、世界のマスコミはメルケル首相と対比させて面白おかしく書き立てた。田原総一朗が珍しくいいことを云った「菅は国民を甘く見すぎている」と。日本はどうやら大変な人物を首相にしてしまったようだ。