菅さんが首相に選出された当日、習近平はさっそく祝電を送ってきた。国家主席が日本の首相就任に祝電を送ることなどまさに事件と云えると、以下、石平さんの解説・・・
中国側は平素から日本の首相のカウンターパートは中国の首相であるとの認識を持ち、自国の国家主席を日本の首相よりも格が上の国家元首だと位置付けている。だから日本の首相の就任に対し祝電を送るのはいつも中国の首相であった。これは安倍さんの時も野田佳彦の時もそうだった。しかし今回は習近平が自ら祝電を、しかも余りに早く送ってきたことはかってない破格の厚遇をしたと中国は思っている筈。それもこれも今の中国外交はまさに八方塞がりの状況で中国の孤立化が進んでいるからで、菅政権を徹底的に取り込み、日本との良好な関係をテコに外交を立て直す狙いがあること論を待たない。
先月25日から1週間、中国の王毅外相はイタリア・フランス・ドイツなどEU5カ国を歴訪したが、旅の途中で台湾訪問したチェコ上院議長を恫喝した一件が逆にフランスとドイツの猛反発を招き中国の「欧州取り込み工作」を壊してしまった。さらに今月14日には習近平がEU首脳とのオンライン会談に臨み、自ら「欧州取り込み工作」に取り組んだが、逆に香港やウイグルの人権問題に注文を付けられ対立したまま亀裂を露呈して終わっている。
この習近平からの熱烈なラブコールを菅さんはどう対処するのか、まさに見ものだ。
9月 26
2020
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