寺田寅彦

ワイド版岩波文庫「吾輩は猫である」を見つけてまた読み始めた。文字が通常文庫の1.2倍で読みやすい。漱石は49歳で亡くなり、友人の子規34歳、門下生の寒月先生こと寺田寅彦は漱石と11歳違い、57歳で亡くなった。なので物理学者にして名文家の寺田寅彦さんの随筆に手を伸ばして、同じくワイド版の「柿の種」を注文。
手始めに有名な「どんぐり」を別の文庫本で読んだ。帝大生の寅彦22歳、妻夏子17歳の若夫婦ながら、夏子さんは結核を患い20歳で亡くなる。療養のため東京を発つ間際に植物園を訪ねた際、夏子はどんぐり拾いに夢中になったこと。その7年後に残された娘を連れて同じ植物園を訪ねた時もやっぱり団栗拾いに熱中した様子が父親の眼差しで描いている。
明治から昭和に掛けて最も怖ろしい病気は結核、その壮絶さはハンパないコトは承知している。昨今のコロナ騒動も肺が冒されて呼吸困難に陥って重症になればやっぱり呼吸困難に、それをを想像するだけでも息苦しくなる。我が「気管支喘息」十分注意しなくては・・・