中国首相李克強は山東省煙台市を視察した際、街角の露店の店主に声をかけ「露店経済は雇用機会を生み出し国家の活力の源である」と「露店経済」という言葉を使って絶賛した。それからの1週間、テレビや新聞や経済誌がそろってこの話題を取り上げた結果、収入の減った会社員や失業中の元サラリーマンなどが一斉に露店商に転身。各都市の市民広場や路地裏が熱気あふれる「露店村」へと変身したのだ。ところがこの窮余の一策は、結局、習近平の息の掛かる共産党機関紙北京日報が「露店経済は北京にふさわしくない」と社説を掲げてきっぱりと拒否。そして中央テレビも「大都市では露店経済を進めるべきではない」と続いた。おそらく習主席からすれば北京市や大都会で露店が大量に出現するような事態は自分のメンツに関わることでもあるし首相の提唱が庶民の人気を博すようなことは面白くないと思ったのだろう。馬鹿げた権力闘争だが、それにしても露天経済を持ち出すほど中国の失業者は増えているということか・・・
6月 22
2020
2020