フランス文学者、武道家、翻訳家の内田 樹(たつる)氏は「今さえよければ、自分さえよければ、それでいい」という近視眼的、刹那的現代社会を「サル化」と呼ぶ。「朝三暮四」の故事から採ったと云う。
サルたちにこれまで給餌していた8つの栃の実を7つに減らすことになったとき「朝3、夕方4ではどうか」と言ったらサルは怒り出し「それでは朝4、夕方3は?」と言ったら狂喜した。朝と夕方の自分が同一であることに思い至らなかった。
「適切な時間意識」を無くした経済活動は人間的時間を超えた速度で動いている。株の売り買いなんかはマイクロセコンド単位で行われているではないか。この中に人間の身体感覚や知性が賦活される時間はない。「今だけ、自分だけよければ」という現代人に特徴的な時間意識の縮減は人類「退化のフェーズ」に入ったことの徴候ではないかと思う、と。
なるほど仰せの通り30万とか10万とかで大騒ぎだが、結局は朝三暮四のサルと同じで何にしても税金が使われることに替わりはない。嘘を重ねる安倍政権もわれわれ国民も「サル化」しているのだ !?