若い国際政治研究者がラトビアで開かれた安全保障会議に招待を受け、その感想を産経「新聞に渇 !!」に寄せた。もっともな指摘なので転載する。
「ラトビアの地政学的な位置からすれば主たる関心はおのずとロシアに向けられる。しかしこの度の会議は違った。主催者は中国をロシアよりも大きくかつ差し迫った脅威として捉え、中国の行動が国際政治に及ぼす余波を討議する部会を設けた。そこで肌身で感じたのは現在の欧州がいかに厳しい対中姿勢に転じつつあるかとの実態だった。ウイグル族などに対する人権侵害、法の支配の無視、借金漬け外交、香港問題、そして北極圏を含む海洋権益の拡大など、もはや中国の行動は看過できないというのが大方のヨーロッパ人の見方である。むろんかつてのように米国に頼れないからこそ中国に対する危機感はさらに増幅されるのであろう。だがこの会議に参加していた日本のメディア関係者は皆無だった。ヨーロッパや北米のみならず多くの安全保障の専門家が集う会議で取材すれば得られる知識は多い筈なのに。
知人の記者たちからは新聞離れが止まらないとの嘆きの声を常に聞く、が、それはそのような紙面、記事を提供しない事業自得なのだ。新聞を読んで貰いたいと思うなら、質や量のみならず世界を俯瞰できるような紙面であるべきだ。世界第3位の経済大国、否「責任ある大国」には、それにふさわしいメディアがあって然るべきなのだが・・・」至極、正しいご意見だ。
11月 27
2019
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