世界文化遺産 呼称論争

登録が決まった大阪府の百舌鳥・古市古墳群にある宮内庁指定の天皇陵について「仁徳天皇陵古墳は仁徳天皇の墓とはいえない」として地名に基づいた「大山古墳」と呼ぶよう歴史学者が主張している。「○○天皇陵」という呼称は平安時代の法令集「延喜式」や地元の伝承などをもとに江戸幕府が幕末に指定したのを宮内庁が引き継いだだけだと。これまでも第26代 継体天皇陵も然りで、宮内庁は太田茶臼山古墳を指定しているが出土した埴輪などから400年中頃と判明。531年に死去したとされる継体天皇より100年ほど古いことが分かり約1キロ東の今城塚古墳こそが継体天皇の墓とされるなど宮内庁の指定の信憑性は大きく揺らいでいる。小生、「○○天皇陵」は学術的には不可かもしれないが、日本の歴史、天皇制そして地元が長く親しんできた呼称を世界に理解して貰う上で意義があると思うのだが・・・
改めて、考古学の常識として初代神武天皇から第9代開化天皇までは実在しないとされている。諸説ある実在確率をまとめると・・・
第10代 崇神天皇=25%(在位 前97〜前30)
第15代 応神天皇=50%(在位 270〜310)
第21代 雄略天皇=70%(在位 456〜479)
第26代 継体天皇=80%(在位 507〜531)
第33代 推古天皇=90%(在位 554〜628)
完全確実で疑いの余地がないのは第38代 天智天皇(在位 668〜671)以降ということになる。