400年代半ばには日本最大の前方後円墳にして、墓としては世界最大を誇る大仙陵古墳(仁徳天皇陵)が造られた。しかし允恭天皇か安康天皇の墓とも云われたり、仁徳天皇の実在さえも疑われて、結局、いまの教科書には仁徳天皇陵とは云わず「大仙古墳」と記載されている。日本書記から推定すると仁徳天皇が亡くなったのは399年。一方、考古資料から大仙古墳の築造は450年ころとされ約50年のずれが生じるからだ。
日本の考古学には文字記録がないため諸説が飛び交う。邪馬台国論争はその典型だが、歴代天皇の実在論争もこれまた賑やかだ。第16代仁徳天皇にも諸説が飛び交っている。目下、考古学の常識として初代神武天皇から第9代開化天皇までは実在しないとされている。以下、諸説ある実在確率をまとめると・・・
第10代 崇神天皇=25%
第15代 応神天皇=50%
第21代 雄略天皇=70%
第26代 継体天皇=80%
第33代 推古天皇=90%
完全確実で疑いの余地がないのは第38代 天智天皇=100%ということになる。在位は西暦668年〜672年。つまり7世紀半ば過ぎになってやっと編年が確かなものになった。ともあれ令和の御代に日本の考古学が注目されることは誠に喜ばしい。
7月 07
2019
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