安倍さんの仲介は結構だが…

安倍さんはイランと米国の仲介役をかって出たが、イランはさっそく「仲介はいらない」と表明した。確かにイランからすれば「米国は勝手にイチャモンを付けて脅迫してくる」と思っている筈。そもそも米国のイラン介入は1953年CIAが石油利権を巡ってクーデターを起こし、パーレビ国王を擁立して傀儡政権を立てたことに始まる。これに怒った国民の中から過激派が台頭、シーア派民兵組織のネットワークを強化して周辺国まで勢力を伸ばした。2015年米英仏独中露は核兵器開発を大幅に制限する「イラン核合意」を結んだが、トランプはオバマ政権時の合意内容が不十分として撤退破棄、以後、何かにつけて厳しい注文を付ける。
イランを焚き付けたのはむしろ米国であった歴史を知る米国人は1%に満たないとの世論調査がある。トランプとてほとんど理解していないだろう。この辺りはかって激しい偏見から日本を太平洋戦争へ追い込んだF.ルーズベルトや原爆投下を承認したトルーマンと同類。安倍さんの仲介は結構だが米国対イランの歴史をもう一度復習しておいた方がいいと思う。ヘタをすればイランの信用まで失い兼ねないから。