小野薬品 利益に目が眩む

ノーベル授賞式、本庶佑先生の記念講演は半分を仲間の研究者を讃える時間に充てて大絶賛だった。また授賞式の和服姿も武士風容貌から凜とする日本人の心意気を示された。その先生が珍しく語気を強く「小野薬品はこの研究に貢献していない」と断言して周囲を驚かせた。
オプジーボに関する特許は本庶先生と小野薬品の共同所有。小野薬品から本庶研究室に幾ばくかのロイヤリティが支払われているが、先生側から若手の研究者育成に充てるため売上げの一部を大学に寄付を要請していた。オプジーボは17年度、国内だけでも901億円を売上げ、606億円の営業利益を計上したた上に“オプジーボビル”とも呼ばれる東京ビルを竣工するなどボロ儲けをしているにも関わらず大学への寄付を渋っている。これに先生は立腹して記者会見で暴露したのだ。企業が自分の利益だけに目が眩んだらやがては必ず痛い目に合いますゾ。一時急騰した株価は今では急降下している。