テレビの未熟さ

オウム事件幹部の死刑が執行された。フジテレビは死刑囚の顔写真が並んだパネルを示し「執行」のシールを貼った。テレ朝も執行が予定される死刑囚の顔写真に「手続き中」の文字を添えて報じた。こうした演出手法に「死刑囚の写真に執行と書いたシールが貼られていく…ものすごく気持ち悪い」「まるで死刑執行をおもしろがっているようだ」「選挙の当落と同じ感覚で報じるのか」などと批判が相次いだ。どんな凶悪犯人であれ、命に関わる事象は「厳か」な報じ方をすべきだ。テレビの余りに素人的演出にメディアの未熟さを感じてしまう。
現在、死刑廃止国・執行停止国の合計は139カ国、制度を残している国は58カ国だという。中国、インド、インドネシア、アメリカ、日本等の人口が多い国で死刑制度があるため人口の割合でみれば制度維持は50%以上の多数派になる。世界の大勢は死刑廃止だが日本の8割は死刑容認だ。ただ被害者の無念を晴らすという「国民感情」はDNAのようなものだが、これが存続理由の一番に上がることに問題があるのかな。