南北首脳「完全な非核化」とか「民族統一」とかで日本のマスコミまで大騒ぎをしているが、したたかな北のお坊ちゃまは「核廃棄」の具体的な言葉を口にしていない。さらに文在寅が何度も繰り返した「民族統一」も実に白々しい。そもそも北朝鮮（ツングース系満州人）と韓国（韓人）は言語系統も血統からも異なる民族だ。紀元前１世紀にツングース系満州人が朝鮮半島北部に建国した王国が「高句麗」で何度も韓族がいた南朝鮮の百済や新羅を攻め立てた。10世紀、高句麗の流れをくむ「高麗」は韓人を屈服させて朝鮮半島を支配、これが今の北朝鮮の源流なのだ。なお文在寅は釜山近く慶尚南道（旧新羅）の出で両親は北朝鮮から韓国に避難してきたから北への思い入れはことのほか強い。韓国内でも今度の「民族統一」を冷ややかに見ているだろう地域がある。高麗王朝つまり北朝鮮に激しく抵抗した旧百済にあたる全羅道の住民だ。自分たちは韓人だが北は満州人だと強く思っている筈で、北にオモネル文在寅など眼中にないと思う。全羅道出身者が今でも韓国内の政界財界で強い差別に合っていることは周知のこと。
今まで朝鮮半島の歴史なんぞにまったく興味がなかったが、たった１冊読んだだけで民族統一がいかに空々しいか、拙文ながら書ける自分がちょっと嬉しくもある。