新嘗祭

11月23日「勤労感謝の日」は収穫を神々に感謝する「新嘗祭」が起源であることは余り知られていない。今年も宮中神嘉殿で天皇陛下が臨まれた。
まず午後6時、白の絹でできた伝統の御祭服を身にまとわれ、たいまつの明かりだけに照らされた陛下が御拝廊下を進まれる。神嘉殿には陛下と神事を手助けする2人の采女だけが入殿を許される。そして全国から献上された米と粟の新穀や新米から作った酒などを供えられ、五穀豊穣と国家国民の幸福を祈られる。儀式は2時間、午後8時に終わるが陛下はこの間、正座をされたままで暖房はいっさいない。宮中祭祀の中でも最も重要かつ過酷な儀式の一つだと云われている所以だ。そして午後11時から同じ手順で「暁の儀」が執り行われる。つまりこの日は渡り吹きさらしの拝殿で4時間にわたり正座をされるのだ。84歳の陛下には身に応える過酷な儀式、やはり生前ご退位は致し方ない。