人民元 後退

「人民元 進まぬ国際化」という記事がこの2週間で日経、毎日、産経、読売に相次いで載った。2015年日本円が貿易決済に使われた割合は2.76%で中国人民元2.79%と逆転されていた。しかし今年の統計では日本円4.6%に対し中国元は1.9%に後退。これは中国政府の①過度な為替介入、②資金移動の厳しい規制など、中国政府が国際的な信用を逸した結果だ。
日本円よりシェアを伸ばした中国元をIMFは昨年、国際通貨の仲間入りをさせたが、もともと時期尚早との声が多かった。国際通貨ともなれば中国政府の為替介入は減るだろうと期待したIMFの判断が間違っていたのだ。
そもそも自国通貨で決済するメリットは為替相場変動によるリスクを回避できる。そして自国通貨が世界各国で使われ蓄えられれば信用や期待感の証となる。中国の強欲は世界貿易の場でも嫌われているということに他ならない。