プーチン笑う

外交交渉で「率直に突っ込んだ議論をした」というのは「何ら進展なし」の意味と云うが、まさしく安倍首相の途中の囲みで出てしまった。結局は4島での経済活動を進めることだけが決まってプーチンの完勝。2時間半、明らかに意図を持った遅刻作戦。普通の感覚の持ち主なら少しは恐縮するものだが強硬を貫き通した。さらに先月、外務省谷内正太郎はロシアの担当者に「4島が戻れば米軍基地を置く可能性はある」と述べていたというではないか。これではいくらボンクラ小生でも「4島を引き渡そう」とは絶対に思わない。
調べるとプーチンとて北方領土に対する発言は大きく変化している。2001年の森との会談では「4島の帰属問題を解決して平和条約を締結する」と云っていた。それが2005年小泉会談で「北方領土は正当なロシア領土である」と変節した。恐らく北方諸島の漁業や地下資源、軍事的地政に目覚めたのだろう。そこに米軍基地を置くなどと云ったら交渉になるわけがない。ロシアにとっては米国が感じたキューバ危機の再来だ。まったくもって外務省役人は外交センスがないし日本は戦略を誤った。英紙ほか韓国紙までもが「安倍首相の完敗」と報じた。