美智子皇后は誕生日のコメントで天皇陛下の「生前退位」というマスコミ報道に「大きな衝撃をうけた」と述べられていた。確かに「生前の姿」などと「死後」や「死」とセットで用いられることから国民の多くが違和感を感じていた。産経新聞は今後「生前退位」ではなく「譲位」を使うことにしたらしいが、適切な対応だと思う。
伊藤博文はかって明治憲法案を検討する場で天皇譲位案を一蹴したが、確かに皇室典範で譲位を容認すれば天皇の意思を踏みにじる強制退位もあり得ない話ではない。事実、昭和初期には陸軍皇道派が協調外交路線を重視した昭和天皇を批判し弟の秩父宮を天皇にすげかえようと画策したこともあった。さて、今上天皇の「譲位」はどのような形で実現するのか注目していきたい。
10月 29
2016
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