パリ協定に取り残され !!

地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」が米国、EU、中国、インドと批准が相次ぎ、日本なしで11月には発効するようだ。京都議定書はロシアが批准するまで7年も掛かって発効したこととは大違い、わずか1年未満で発効する。これには米国と中国が早々と手を結んだことが大きい。(協定の発効には締約国が55か国以上になり、さらにその国々の温室効果ガスの排出量が世界全体の55%以上に達すると30日後に発効する)
日本の批准が遅れたのは安倍政権が環境問題よりTPPの国会審議を優先させたことにある。米国の次期大統領候補や議会が揃って反対する中でなぜ日本がこれほどTPPに前のめりになるのか、こればかりは野党の主張が的を得ている。これで日本は環境問題に後ろ向きのレッテルを貼られ兼ねない。
そのパリ協定の中身だが、産業革命前からの地球平均気温上昇を1.5~2℃未満に抑制するため、2050年までに世界の温室効果ガス排出量を実質ゼロをめざす国際約束だ。しかし確かに深刻化する気候変動への危機感が世界中に広がってはいるが、法的拘束力を持たないこの協定に、国際仲裁裁判所の判決は紙切れと言い放った中国にどれほの覚悟があるか、また眉唾か?