知恵をつかさどる菩薩「もんじゅ」夢の原子炉の実用化に１.２兆円超を投じてきたが、事故やトラブルが相次ぎ22年間で稼働はわずか250日だった。冷却材に使う液体ナトリウムは空気に触れると発火するため取り扱いが難しく世界で実用化された例はまだない。六ヶ所村の再処理工場も未だに失敗続きだから「核燃料サイクル」は破綻したとみていい。
原子力産業界は全く新しい第IV世代の原子力発電所に希望を託している。規模と投資額が大幅に小さくなり建設時間が短いためにより柔軟な問題解決が可能だと云う。が、ここは脱原発に舵を切るか否か、政府と電力会社は大きな岐路に立っている。ただもし日本が原発から手を引いたとしても、技術と技術者は中国や韓国に流れるだけで、これも怖い。