白人労働者の多くは工場の海外移転や低賃金の移民労働者の増加などによって職を奪われ不満を募らせ怒りが高まる中で、その怒りをたくみに利用して勢力を伸ばしたのがトランプだ。「偉大なるアメリカの復活」を力強く約束し「悪いのは中国や日本」「敵はメキシコ人」などと問題を単純化してみせるトランプ氏に彼らは熱狂した。ほんの数カ月前までまさかこんな状況になるとは米国のインテリ層は誰も予想していなかった。ともあれ、トランプ氏が大統領にふさわしいのかという問題とは別に、米国社会の底流に大きな変化が生じていることに我々日本人は注意しておく必要がありそうだ。
3月 23
2016
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