アメリカ第31代大統領ハーバート・フーヴァーは任期中に起きた世界恐慌に手が打てず米国内では無能な大統領として人気は低い。ところが氏の厖大な資料収集と分析により第二次世界大戦へ突き進んだ当時の情勢が克明に記された回顧録「裏切られた自由」が本国で出版されその卓見と歴史家として見直されている。氏の著書を元に日本の専門家3名が日米戦争について鼎談する「日米戦争を起こしたのは誰か」を読み始めた。
①日米戦争はルーズベルト大統領が日本に仕掛けた戦争である。②日本の度重なる和平案をルーズベルトは全く無視した。③米国は原爆投下せず日本を降伏させることができた。原爆投下の罪は永々に重く米国民が受け止めなければならない。などが記されている。今や、真珠湾奇襲が窮地に墜ちいていたルーズベルト、スターリン、チャーチル、蒋介石らを一挙に救済したことはかなりが知るところながら、未だ米国民でも「真珠湾は忘れない」という人が多い。戦後70年というなら日米双方で歴史が歪められていることに想い致さなければならないと思うのだが・・・日本人必読の書と云うのだから、ぜひ文庫本で再版して広く若い人達にも読んで貰らったらいい。
(写真左から)歴史家として再評価の31代フーヴァー。野望をむき出し狂人の32代ルーズベルト。原爆投下を命じた浅慮の33代トルーマン。