武光誠氏の文庫本「古代日本〜誕生の謎」は寝る前の睡眠剤にちょうどいい。独善的との批判もあるが、この本を読んでからいっそう邪馬台国九州説に与したいと思うくらい古代史を俯瞰で眺める氏の筆力は見事だ。
①縄文文化の中心は東北地方にあった。
②弥生文化は北九州から広まった。
③それぞれの文化から最も離れた奈良盆地で第三の文化が生まれた。
④それは有力豪族の首長を霊として祀るもので、いくつかの小国があった。
⑤北九州でも大陸交易と稲作から大きな富みとチカラ蓄える小国があった。180年ころ倭国に大乱が起こり、それを治めたのが邪馬台国卑弥呼。邪馬台国の隆盛は魏と晋あってのもの。
⑥一方で北九州から近畿に移住した集団は元々の小国と争いながら220年ころ纏向に古代都市「大和」を築き大和朝廷を樹立した。
⑦大陸交易権を抑えたい大和朝廷は320年ころ北九州に制圧に乗り出し邪馬台国はもろくも崩壊する。
⑧以後、大陸文化は直接、大和に入るようになり、関東東北の豪族たちは大和朝廷に従うようになった。要するに、邪馬台国は北九州小国連合の盟主だったが、近畿で勢力を伸ばした大和朝廷によって滅ばされたと・・・平成を治める政治家が西日本に偏るのもこの辺りが基にあるのか・・・