いずれも日本人が人類の幸福に幅広く貢献する証しとして誇れる大快挙。しかしこうなると新国立競技場と五輪エンブレムの世界的汚名が燦然と輝く。
大村智博士の受賞
オンコセルカ症とは蚊やブヨを媒介に激しい痒みと失明に至る寄生虫による熱帯病で、現在でも150ヵ国で14億人の感染者がいると云われている。この感染病に効果のある抗生物質を土壌中の微生物が作っていることを突き止め、新薬開発の結果、10年後には地球上からほぼ撲滅される見通しが立った。
梶田隆章博士の受賞
ニュートリノには電子型、ミュー型、タウ型の3種あるが、ミュー型が地球を貫通して1万キロ以上を移動する過程でタウ型に変わることを観測で発見した。ニュートリノが変身するためには質量が必要で、これまでの「質量ゼロ」の前提で組み立てられた現代物理学の見直しを迫り、物質や宇宙形成の謎に迫る成果と評価された。