国歌「君が代」

国歌や国旗にまつわるうんちくを面白く読んでいる。
32字の和歌「我が君は…」は平安初期(905年)宮廷に出入りする木工職人が詠んだ。1018年(源氏物語の10年前)「和漢朗詠集」に「君が世は…」となって載った。いずれにしても千年も前の和歌が出所であることは間違いない。一方、旋律は1870年(明3)英国の軍楽隊長フェントンが作曲したものを1880年(明13)海軍省と宮内省の担当官が雅楽の音律を取り入れて大幅に改訂、さらにドイツから海軍軍楽隊教師として呼んだエッケルトがハーモニーをつけて洋楽器の総譜として完成させた。かくして世界最古の歌詞と奥深く尊厳ある旋律による我が「君が世」は特に音楽に造詣の深い人ほど大絶賛する。
かってサッカー中田英寿は「戦う前に歌う歌じゃない」と発言したが、残念ながら彼の浅学、皮相浅薄が見えてしまった。まさかアメリカ国歌「砲弾が赤く光を放ち宙で炸裂するなか我等の旗は夜通したなびいていた」とか、フランス国歌「武器をとれ、市民たちよ、自らの軍を組織せよ前進しよう」などの国歌の方がいいともでも云うのだろうか。こんな歌詞が国賓を迎えるたびに奏でられているのですぞ。