産経抄が中国憲法をたっぷり皮肉った。
わが「日本国憲法」に負けず劣らず「中華人民共和国憲法」にも立派な条文が並んでいる。たとえば第33条は「国家は人権を尊重し保障する」としている。
▼もともと中国の憲法には「人権」の概念はなかったという。きっかけは1989年天安門事件だった。民主化を求める市民や学生が解放軍に無残に殺された事実に世界は衝撃を受けた。▼西側諸国から人権弾圧を厳しく批判され、経済制裁を受けた中国政府は2年後「中国の人権状況」と題した白書を発表。人権の規定が2004年の憲法修正の際に付け加えられた。▼さらに第37条には「公民の人身の自由は侵犯を受けない」ともある。しかし「法に基づく統治」を唱えてきたはずの習近平政権に憲法を順守する姿勢はまったく見えない。公安当局は先週後半から140人にも及ぶ人権派弁護士を連行している。いずれも合法的に弱者の保護に努めてきた人たちである。▼さて日本でも最近「言論弾圧」などというおどろおどろしい言葉が飛び交っている。とはいえ憲法学者は平然と自衛隊が憲法違反だと断じている。マスコミを批判した自民党の衆院議員は週刊誌に「バカ議員」とののしられる始末である。しかし稚拙な学者や議員先生が何でも言えるこの国に、やっぱり生まれてよかった。
7月 19
2015
2015